本澤愛未インストラクターにインタビュー!そもそもインストラクターってどんな役割があるのでしょうか?
スポーツトレーナー本澤愛未さんに「あんなことやこんなことを聞いてみたい!」そんな本澤さんファンの要望を叶えるための企画の第一回、2ページ目は「インストラクターの役割」についてです。
札幌市内、某スターバックスにて(2)
札幌って色んなジムがあるじゃないですか。実は複数のジムに体験で行ったことがあって、そのとき「ジムによってプログラムの有無に違いがあるんだな~」って思ったんですよ。
※以下 T
ジム巡りをすると、そう思いますよね。
※以下 M
T:そうなんですよ。AスポクラにはあるプログラムがFスポクラにはなかったりとか。一方でエアロビクスのように、たいていのジムで見かけるものがあったりとか。同じ名前のプログラムでも、内容は異なるのか?けっこう気になります。
M:たとえばエアロビクスに関しては初級、中級、上級のように分かれていて(各スポーツクラブによって異なります)インストラクターによって振り付けに特徴が違います。
T:振り付け?
M:インストラクターが行なう動作のことです。
T:え、あの動きって、決められたものじゃないんですか?
M:いいえ。自分で考えています。
T:すげぇ...
M:大元のVステップなどといった動きはありますが、それに自分で色付けをしたり、手の動きをつけたり、リズムを改善したりするのが、インストラクターの役割です。
T:ということは、使われている音楽も自分で選曲していると?
M:そうですよ。またインストラクターによっては曲の編集をしたり、作曲する方もいます。
T:ちなみに本澤さんは、どのようにして曲を用意しているのですか??
M:普通に買ってます。
T:買う?
M:インストラクター用の音楽を売っているサイトがあって、そこで買って、皆さんに提供しています。
T:どういった基準で、音楽を買っているのでしょう?
M:自分の好きな曲ですね。それと最近ヒットしている曲も選択肢に入れます。そういう、多くの方が知っていそうな曲を買って、振り付けします。
T:プログラム参加者の大半が「聞いたことある!」と思ってもらえる曲を選んでいるのですね。
M:出来る限り、そのようにしています。知らない音楽よりも、知っている音楽の方が音に合わせて動きやすいので。
T:ジムやスタジオによって、プログラム参加者は毎回異なると思うんですけど。複数のスポーツクラブに通う人は少ないだろうし。
M:ジムごとにプログラム内容を変えているというよりも、「そのプログラム参加者の年齢」や「スタジオ内の雰囲気」を考慮して、異なった選曲や振り付けを考えています。
T:インストラクターの個性も発揮されそうですね。
M:だからこそ、同じプログラムでもインストラクターによって内容は異なりますし、同じインストラクターでもジムによって内容が異なってきます。
T:本澤さんも、曲や振り付けを全部変えていると?
M:もちろんです。プログラム参加者の年齢や体力に合わせて、音楽や動きを考慮しています。たとえばわたしの場合、エアロビクス以外にアクアビクス(プールで行なうエクササイズ)を教えていますけど、このプログラムはご年配の参加者が多いので、その方たちがわかりやすい曲を選んでいます。
T:エアロビクスやアクアビクス以外で、インストラクターさんが選曲や振り付けの考察をしているプログラムはありますか?
M:ヨガですね。歌詞のないオルゴールを選ぶ人もいます。それと基本的に「ヨガっぽい曲」を選ぶようにしています。
T:ダンス系のプログラムはどうなんでしょう?
M:ズンバは曲が決められています。振り付けは自分で考えたり、いただいている振りを採用したりしています。
T:いただいているとは?
M:ズンバってのは資格があるんですよ。
T:資格があるんですか!?
M:ありますよ。ズンバはダンス系の資格の1つで、養成に通って取得します。そこで学んだ動きを、振り付けに選ぶこともあります。
T:振り付けはどういった基準で選ぶのでしょう?
M:まずスポーツクラブによって振り付けのボーダーラインがあります。「初級でできる動き」や「中級はここまでのレベルでお願いします」のようにルールが存在するので、その範囲の中で振り付けを考えます。
T:そんな裏話があったとは...
M:ズンバに関しては「誰でもできる」「楽しむ」ことを目的としています。ですので、すごくクネクネした動きや複雑で難しい動きを提供するというよりも、「安全で楽しく」をメインとしています。
T:安全な動きとは?
M:たとえばお年寄りの多いプログラムでは「身体をひねり過ぎない」「転びにくい」動作を基準にして、振り付けを作っています。
T:エアロビクスはどうなんでしょう?
M:多くの方が気になる部位のお肉を落としたり、全身運動になる動きを組み合わせて、振り付けを考えることが多いですね。エアロビクスってカチカチっとした動きが多かったんですけど
T:カチカチ?
M:「右手は耳の横にぃ!必ず付けましょう!」「足はつま先まで、きっちり外に向けましょう!」みたいな、窮屈すぎる指導のことです。
T:上級者向けっぽい動きですね。
M:でも現在だと、ズンバとも異なるダンス系のエアロビクスがありまして。たとえば手を伸ばすだけだった動きが、ダンスチックにウェーブを描ような動きに変化してきています。
T:そういう1つ1つの動きを、わざわざインストラクターさんがすべて考えていると。
M:それがインストラクターとしての、仕事の役割です。
T:インストラクターさんによって、プログラム内容が本当に異なる、ということはわかりました。では「自分に合った動き」はどのようにして探せばいいのでしょうか?
M:まず初級・中級・上級のようにレベル分けされているクラスに関しては、ご自身の運動経験を参考にしながら出てみてください。ただ基本的には、百聞は一見にしかずと言われるように、参加してみないとわかりません。またズンバに関しては、比較的どのレッスンに出ても同じです。
T:何が同じなのでしょう?
M:同じスポーツクラブ内のレッスンなら、曲は同じです。「楽しむ」という意味では、みんな声を出したり、自由に動いてもよかったりと、どのクラスも同じです。若干インストラクターによって、振り付けが違うくらいですね。
T:自由に動いてもいいんですか?
M:先生の真似をしてもいいし、しなくてもいい、というのがズンバの特徴です。
T:真似しなくていいって(笑)
M:たとえば先生が胸の前で手拍子をしますね。そのとき、胸の前でなく頭の上で手拍子をしてもいいんです。いっそのこと手拍子をしなくてもいいんです。
T:フリーダムですね。そういう意味では、ズンバって初心者向けな気がします。
M:音に合わせるのが苦手、きっちりインストラクターの真似をするのが苦手、そういう方にもズンバは良いですね。
T:では逆に格闘技系プログラムのように、動きが決まっているプログラムは難しいのですか?
M:規定の動きが難しく感じる方には、ズンバがおすすめですね。でも「てきとーに動くのは嫌だ」「決められた動きを習得したい」という方には、エアロビクスや格闘技系のプログラムをおすすめします。
T:ピラティスなどのコンディショニング系プログラムはどうなんでしょう?
M:コンディショニング系は姿勢改善や柔軟性の向上になるので、そもそも決められた動きを完璧に真似するのは難しいです。だって人によって柔軟性とか、違うじゃないですか。
M:先生の動きを真似しようにも、生徒側が先生と同等かそれ以上の柔軟性がないと、真似した動きはできません。だからコンディショニング系プログラムに関しては、動きに多少の妥協が必要です。
T:妥協しても大丈夫、という意味では初心者にも優しいですね。
M:コンディショニングは他人と比べるのでなく、「今の自分の身体はどうなのか?」というのを自問自答しながら調整していく。そんなプログラムとなっております。
そもそもインストラクターってどんな役割があるのでしょうか?のまとめ
- エアロビクスのように、各インストラクターが音楽や振り付けを考えているプログラムもあります。
- エアロビクスのようなプログラムは、同じプログラムでもインストラクターによって内容は異なるし、同じインストラクターでもジムによって内容が違ってきます。
- インストラクターは「そのプログラム参加者の年齢」や「スタジオ内の雰囲気」を考慮して、振り付けや音楽を決めています。
- どのプログラムが自分に合うのか?については、実際に参加して探すのが1番良い方法です。
- 参考として「音に合わせるのが苦手」「きっちりインストラクターの真似をするのが苦手」と感じる方には、ズンバがおすすめです。
- 「てきとーに動くのは嫌だ」「決められた動きを習得したい」という方には、エアロビクスや格闘技系のプログラムをおすすめします。
- コンディショニング系のプログラムでは、インストラクターさんの動きを100%真似することは困難です。柔軟性は人によって異なるので、動きに多少の妥協が必要となります。
- コンディショニングは他人と比べるのでなく、「今の自分の身体はどうなのか?」というのを自問自答しながら調整していてください。
M:ひとことで言うなら、インストラクターの役割は「自分のクラスに責任を持つこと」です。また「どうしても初めて参加するプログラムに不安がある」方は、事前に担当インストラクターさんにプログラム内容を聞いてみてください。親切に教えてくれますよ!
次のページでは「プログラムの上達方法」についてお答えしました。
わたし自身が、どのようにしてレベルアップしていったのか? その軌跡を参考にしてみてください。